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子供の元気な毎日のために当医院は、子供の歯並びに関する相談が多く寄せられます。よくない咬み合わせには思いがけない原因があります。それは、タイトルにある「口呼吸」です。鼻がよくつまったり、口がポカンと開いていたり、姿勢が前かがみになったりしている子供の多くは、口で呼吸をしています。寝ている時にいびきや寝汗をかいている事もあります。いい睡眠がとれていないために、朝から疲れている様子の子供もいます。
ここでは歯並びと口呼吸の関係や健康への影響をまとめています。
子供の元気な毎日の為に、一緒に考えてみませんか?

子どもの歯並びと咬み合わせのタイプ

・叢生(そうせい)

歯が並びきれず重なって凸凹に生えるなど、生え方が不ぞろいの状態。いわゆる乱ぐい歯や八重歯。歯の大きさに対してあこが小さいために起こる。

・上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上の前歯や上あごが前へ出ている状態。または、下あごが上あごに比べて極端に後ろへ引っ込んでいる状態。別名出っ歯。

・開咬(かいこう)

上下の歯を咬み合わせると奥歯はきちんと咬み合うのに前歯が咬み合わず、すき間ができる状態。前歯でものが噛み切れない。

・反対咬合(はんたいこうごう)

下の前歯や下あごが前に出ている状態。受け口ともいう。上下の前歯数本が逆に咬み合っている。

いろいろな咬み合わせの子どもたちが相談に来ます。

歯並びが悪い子どもには共通点があります。よくない咬み合わせの事を「不正咬合(ふせいこうごう)」「咬合異常(こうごういじょう)」といいます。咬み合わせ問題で歯並びの相談にくる子ども達は同じ問題を抱えている場合が多いです。それは「口呼吸をしている」という事です。

お子さまにこんな様子はありませんか?
子どものクセや状態をチェックしてみましょう。
2つ以上当てはまれば「口呼吸」かもしれません。

  • ☑ 鼻がよくつまる
  • ☑ 口をポカンと開けていることが多い
  • ☑ いびきをかく
  • ☑ 前かがみで、姿勢が悪い
  • ☑ 食べているときにペチャペチャ音をたてる
  • ☑ 話すときの舌の位置がどうもおかしい
  • ☑ 何かを飲み込む時に舌が前に出てくる
  • ☑ 上の歯列の形が逆V字型になっている
  • ☑ 上あごの天井が高い
  • ☑ 扁桃腺が腫れたり、風邪をひきやすい
  • ☑ 寝汗をかく
  • ☑ 寝ているときに立ったり、座ったりする
  • ☑ 睡眠時間が足りているのに、朝から疲れている
  • ☑ 中耳炎になりやすい

口呼吸をしていると歯並びに悪影響をもたらします

 

 

口呼吸が及ぼす悪循環とは?

口呼吸をする

口の中が乾いて唾液の作用が下がり虫歯・歯周病・口臭などの原因になります。
又、風邪をひきやすく咽頭炎や扁桃線炎にかかりやすくなります。

舌の位置が正しくない

口呼吸をする時は気づかずに舌の位置を低くしたり前に出したりします。
舌の位置が悪いため歯並びを悪くしたり、はっきり発音出来なかったりします。

気道(空気の通り道)が狭まり鼻がつまる

体質的なものもあるかもしれませんが、子どものうちは扁桃腺が腫れやすく気道が狭くなりがちです。
気道が狭くなったり鼻がつまったりすると鼻から呼吸ができないため、口で呼吸をするようになります。

上顎(口蓋)が狭い

上顎の骨が狭くなり(口蓋が狭い)ます。そのため歯が並ぶスペースが足りず「叢生」・「反対咬合」・「上顎前突」などになります。
口蓋が上顎の天井と考え、天井には鼻腔(鼻の穴の奥)があるため、口蓋が狭いと鼻腔も狭くなり、鼻呼吸が充分できません。

不正咬合(ふせいこうごう)

スケルトンタイプの「固定式拡大装置」を使って、あご自体の拡大をめざします。

上あごの骨の拡大には、スケルトンタイプの固定式拡大装置を使います
起きているときも寝ているときも、一日中つけたままなので、拡大する力の効果は確実です。
装着した直後は「しゃべりづらい」「食べたり、飲んだりしづらい」という違和感がありますが、子どもたちの多くは一日たてば慣れてしまいます。
この装置では、正中口蓋縫合に数キログラムの強い力がかかるため、上あごを左右に広げることができます。
しかし、力が大きすぎるので、歯そのものは動きません。つなぎ目が広がった部分には新しい骨が作られて、上あごの骨の成長をうながします。

【上あごを拡大するイメージ】

正中口蓋縫合を拡大装置で左右に広げていく。
広がったすき間に骨ができて、上あごの天井が広がると、天井裏の鼻腔も広がる。スケルトンタイプの固定式拡大装置を装着したところ。

【具体的な治療の流れ】

スケルトンタイプの固定式拡大装置を装着します。

週に2回、保護者が中央のネジを回して、少しずつ上あごを広げます。(約2か月)

スケルトンタイプの固定式拡大装置を装着します。

週に2回、保護者が中央のネジを回して、少しずつ上あごを広げます。(約2か月)

3か月から6か月の間、広がった縫合部に骨ができるのを待ちます。同時に、ブレースを前歯に装着して、歯並びを揃えます。

 

 

 

▲ 逆V字型にとがった上あごが広がり歯がきれいな曲線状に並んだ

このように、あごの骨の成長期を利用して、あごを広げたり、上下のあごの位置関係を改善したり、歯が正しく生えてくる環境を整える治療を「Ⅰ期治療」といいます。あごの骨の成長が終了してから、生えそろった永久歯をきちんと並べるための治療を「Ⅱ期治療」といいます。Ⅰ期治療であごの骨格や歯列を改善しても、歯並びの状態によってはⅡ期治療が必要な場合があります。

この治療は上あごの骨を広げるため鼻腔も広がり、成人の睡眠時無呼吸の軽減につながるケースも報告されています。
※治療期間・治療結果はあくまでも目安です個々のケースによって
装置の装着期間や拡大幅は異なります。